失明を恐れ安楽死を選んだ双子
45歳になる双子の兄弟が、将来失明する可能性が高いことを受けて安楽死を選んだ。
(画像はイメージです)
死を選択する可能性
プッテノマーク・バーべッセン、エディー・バーベッセン兄弟は12月14日にブリュッセル大学病院で薬物注射によって亡くなった。
双子は生まれたときから耳が聞こえず、生涯を共にすごした。お互い結婚をしたことも無く子供もいなかった。視力を失うことでお互いの顔が見れなくなることを恐れ、両親や他の兄弟説得を跳ね除け、彼らが思うように死ねることが最大の喜びと説得し返した。
過去10年で5500名以上の安楽死希望者
2002年から2011年までの間に、約5500名以上のベルギー人患者が安楽死を選んだ。また、2011年の安楽死希望者1113名のほとんどが末期がん患者だった。
安楽死のケースのうち、9%が突然受けた余命宣告によるものであり、要望の第一の根拠となるものは神経症・精神病や、徐々にに悪化していく筋肉神経に関する病気など、致命的ではない複合的な病状である。
また、安楽死を希望する91%の患者がガンに関する痛みへの不安、神経症や精神病による苦痛、事故による筋肉神経の病気などであった。
安楽死の適用条件
安楽死の条件として、患者は成人であり、希望した時点で自覚があり法的な能力があること、医学的治療は有効でなく改善の見込みがない、事故や病気による肉体的あるいは精神的に耐えられないほどの深刻な損傷があリ治療も不可能、などが挙げられる。
内科医は損傷が薬で治療ができないか、患者自身に痛みが常にあり耐えられないかどうかを判断させる。医師はそのことを確認する必要がある。
また、内科医は医学的な状態、予測、一時的な緩和策を含めた別の治療の可能性を患者に知らせなければならず、また、治療不可能な状況について、別の独立した内科医に意見を求めなければならない。
安楽死適用範囲を拡大、自殺幇助になる可能性も
兄弟の死後、ベルギーの国会では与党社会党が、認知症やアルツハイマーに苦しむ成人患者に対する安楽死を17歳以下にも広げて繰り下げて適用する法案を上程した。
しかしながら、このことは自殺の蔓延に繋がるのではないかと懸念されており、また、人命を救うことを仕事とする医師に使命とは逆の行為を課すことにもなり、医師にとっても負担が大きくなる可能性もある。
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▼外部リンク
BBC News: Deaf Belgian twins end lives as they start going blind (英語、動画(音声あり))
http://www.bbc.co.uk/