嘔吐・悪心
癌治療によってさまざまな副作用が現れますが、化学療法による嘔吐は、血中の化学物質に反応した中枢神経を介して起こる嘔吐で、化学療法開始後より24時間以内に発現する急性悪心・嘔吐、薬物投与後24~48時間よりはじまり、持続する持続性あるいは遅延性嘔吐、嘔吐した体験から脳の中にある大脳皮質を刺激することによっておこる予測(心因性)嘔吐の3種類がある。
また放射線療法によって体内の細胞が変化をおこし、壊された細胞の成分が血液または神経を介し、嘔吐中枢を刺激し発症する場合もある。嘔吐により、患者の水分、電解質が失われ、脱力感や脱水症状などを引き起こし、重症化すると意識障害も生まれる。また消化吸収にも影響を与え、体重の減少や栄養状態の低下も招く。患者にとっては、このような身体的苦痛だけではなく、精神的にも不安や苦痛を感じる。
(画像はウィキメディアより)
第2相試験結果
シンバイオは、経皮吸収型持続性制吐剤「SyB D-0701」の第2相試験が終了したと発表した。SyB D-0701は、がんの放射線療法及び化学療法により発現する悪心・嘔吐を抑制する、グラニセトロンを主成分とする経皮吸収型持続性制吐剤(貼付剤)である。本試験は、局所放射線療法を受ける悪性腫瘍の患者189例を対象とした、無作為化、二重盲検、比較試験であった。放射線療法に伴い発現する悪心・嘔吐の抑制効果を、高用量および低用量とプラセボと比較し、用量反応性を検討した。
その結果、各用量群の放射線療法に伴い発現する悪心・嘔吐の抑制効果には、プラセボ群と比べ、統計学的に有意な差は認められなかった。しかし、高用量群では、プラセボ群と比べて、高い抑制率が見られた。
▼外部リンク
シンバイオ ニュースレター 2013年1月29日
http://www.symbiopharma.com/news/