日本中どこででも発生する感染症
厚生労働省は、2009年3月から7月にかけて中国で集団発生した原因不明の疾患で、その後、このウイルスの存在が明らかになったダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群（Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS）」の症例を、日本で始めて確認したと発表した。
SFTSは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス、SFTSウイルス（SFTSV）、によるダニ媒介性感染症。
患者が発生したのは、山口県。海外渡航歴がない成人患者で、日本でウイルスに感染したと考えられるが、詳細な感染経路については分かっていない。
SFTSウイルスを媒介すると考えられるマダニ類は日本中、広く分布しており、全国どこにおいても発生し得る感染症で、
・患者血液や体液との直接接触
・ウイルス血症を伴う動物との接触
などで感染する可能性が有り得る。
（「シカのマダニ」 Wikiメディアより引用）
医療機関に情報提供を求める
SFTSは、6日から2週間の潜伏期間の後、
などの症状が現れ、致死率は10%を超える。治療法はなく、対症療法のみ。予防法としては、
・感染者の血液、体液、排泄物との直接接触を避ける
が上げられる。
なお、厚生労働省では、この発表とあわせて、医療機関に対し情報提供を呼びかけている。もし
（ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。）
などの症状を訴える患者を診た場合は、最寄りの保健所、または、国立感染症研究所問い合わせ窓口（info[アットマーク]nih.go.jp）に連絡して欲しいとしている。*[アットマーク]は@に置き換えて送信。
SFTSの流行期はダニの活動が活発化する春から秋と考えられている。今後、この感染症に対する予防方法を周知徹底することが重要であると言える。
▼外部リンク
厚生労働省1月30日付：中国で近年報告されている新しいダニ媒介性疾患の患者が国内で確認されました
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002u1pm.html
国立感染症研究所：＜速報＞ 国内で初めて診断された重症熱性血小板減少症候群患者
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/sfts-iasrs/
