■薬局の在宅取り組み整備も
同局は、9月の概算要求では、特別重点要求を含め158億1900万円を要求していたが、政権交代によって、12年度補正予算と一体的な予算編成となったこともあり、前年度予算より7%(6億7500万円)減という規模になった。
革新的新薬や再生医療製品の実用化を促進するため、審査を迅速化し、安全対策の強化を図る一方、薬剤師の在宅医療への取り組みを推進する考えだ。
予算案の主要事項としては、[1]医療関連分野におけるイノベーションの一体的推進(17億4300万円)[2]国民が安心できる医療を実現するための提供体制の整備(4000万円)[3]医薬品・医療機器・再生医療製品の承認審査の迅速化(6億4500万円)[4]医薬品・医療機器・再生医療製品の安全対策の推進(10億9800万円)[5]適切な承認審査や安全対策のあり方等に関する研究(レギュラトリーサイエンス研究等)の推進(8億0300万円)[6]違法ドラッグを含む薬物乱用対策の推進(3億7100万円)[7]血液製剤対策の推進(1億3500万円)――の7本柱。
重点化枠の医療イノベ関連は、概算要求から大幅減額となったが、審査の迅速化に13億5800万円を計上した。
その中で、未承認薬の患者アクセスを充実させるため、抗癌剤を用いた医師主導治験でGCP上の問題等を把握するパイロット事業を新規で行う。中小・ベンチャーによる革新的医療機器の開発を促すため、医薬品医療機器総合機構の相談・承認申請手数料を5割軽減するための経費も盛り込んだ。
もう一つの重点化枠とした医療提供体制の整備も、概算要求段階の2億円から減額されたが、薬局を活用した薬物療法提供体制の整備に4000万円を計上した。
抗癌剤など使い方が難しい薬の適切な服薬指導を在宅で受けられるよう、薬剤師の訪問体制等を整備する。全国8カ所でモデル事業を実施し、在宅医療を進めるための研修会の開催費用等に充てる。
承認審査の迅速化では、医薬品と医療機器を組み合わせた製品の有効性、安全性確保に向けたガイドラインの整備を行うほか、安全対策強化として医療情報データベースの整備等に3億8500万円を充てることにした。違法ドラッグ対策の強化には2億1100万円を投じる。