がんワクチン
がんワクチンとは、発がんウイルスの感染阻止や、がんの治療目的で使用されるワクチンのことである。がん細胞では、表面に発現する癌抗原ペプチドに対する特異的な細胞傷害性T細胞が発現する。この細胞傷害性T細胞は、ウイルスやがん細胞などを異物とみなし攻撃するはずだが、その数と免疫力が十分でないためにがんは増殖する。そこで、癌抗原ペプチドを人為的に投与し、特異的な細胞傷害性T細胞を強力に誘導することでがんを治療するのが、がんワクチン療法である。患者自身の免疫力を高め、副作用が少なく、利便性も高いので、がん治療において最近注目されている。
(画像はウィキメディアより)
韓国で治験実施
オンコセラピー・サイエンスでは、シンガポール及び日本にて実施中の胃がんに対する治療用カクテルワクチン(OTSGC-A24)の第1/2相臨床試験について、韓国内にて実施することにつき、韓国食品医薬品安全庁より承認を取得した。
本治験は、標準療法が効かなくなった胃がん患者に対し、OTSGC-A24を投与した際の安全性及び免疫反応を検討する試験である。本剤は複数の胃がん特異的「オンコアンチゲン」由来のペプチドを用いたカクテルワクチンで、個々のペプチドワクチンが強力ながん細胞を殺傷するリンパ球を誘導することに加えて、腫瘍縮小など強力な抗腫瘍効果を示すことが判明しているワクチンである。
▼外部リンク
オンコセラピー・サイエンス ニュースリリース2013年1月28日
http://www.oncotherapy.co.jp/news/20130128_02.pdf