注意喚起を促す文書
小さな子どもは何でも口に入れてしまうため目が離せないが、そんな実態が「平成23年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」(平成24年12月27日付厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室報告書)で明らかになっている。
(イメージ写真)
報告によると、小さな子どもが医薬品、医薬部外品を誤って飲み込み、医療機関での処置、入院事例が多く報告された。このため、厚生労働省は全国の都道府県で医療、衛生を担当する部署の長に対して注意を促す文書を出した。各部署が管轄している医療機関、薬局などへの周知を求めている。
自分で取り出し誤飲する例も
厚生労働省によると、家族や親族に医療機関が処方したものを誤飲している事例が多いという。1、2歳児が自分で包装を開けて薬を取り出す例がみられ、テーブルに放置するなど、医薬品の保管が適切ではなかったり、保護者が目を離したすきに起きた事故が多い。また、口の中で溶ける錠剤「口腔内崩壊錠(OD錠)」には甘い味のついたものが多く、大量に誤飲した事例が報告されている。
小さな子どもは、飲みやすいように味付けしてあるOD錠、シロップ等を「おいしいもの」と認識し、ちゃんと片付けておいても子どもが自分で取り出して誤飲する例も珍しくないという。
文書の内容は
1.患者の家族等、特に小児による誤飲が生じないように、処方または調剤にあたっては、医薬品を小児の手の届かない場所に保管するなど、適切な保管及び管理をするよう、患者及び家族等に十分注意喚起すること。
2.高齢者等自ら医薬品の保管・管理が困難と思われる患者に対しては、家族等介護者に対して注意喚起を行うこと。
(厚生労働省より)
厚生労働省は同様の内容で、日本製薬団体連合会、日本OTC医薬品協会、日本包装技術協会にも通知。小さな子どもが開封しにくい「チャイルドレジスタンス容器」の採用などが有効であるとし、事故が生じないよう対策を施した製品開発を検討するよう促している。
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