前編では、インフルエンザの感染経路についておさらいし、マスクでは大きな飛沫による感染は予防できても、微粒子による感染を予防するのは難しいことがあるということが分かりました。
インフルエンザにかかっている人が身近にいる状態で、マスクで感染を予防するとなると、外科医が使うような顔にフィットするタイプとなります。医療用のマスクは無理でも、こうしたことを念頭に出来るだけ隙間が出来ないものが効果的です。
微粒子に付着して空気中を漂っているインフルエンザのウィルスは、マスクによっては顔の隙間からも入り込めてしまうのです。昔ながらの四角いガーゼに耳かけがついているタイプは、これにあたりますし、ディスポーザブルのタイプでもこのような簡単な形のものが多いでしょう。どんどん使い捨てた方が、感染防止には基本的によいとは言え、形状がウィルスをブロックできないのでは、あまり意味がありません。
一方で、人混みなどであるか分からないウィルスをマスクだけで食い止めようとするのは、なかなか難しいものです。なにしろ、隙間から入り込むことが出来るのですから。
こうしたことから、インフルエンザ対策は、マスクだけでは、完璧ではないことが分かります。まずは予防注射、そしてうがいや手洗いといった一般的な衛生管理、栄養のある食事と十分な休息などを一つ一つ確実に組み合わせていくことが必要なのです。
▼外部リンク
NY Times ; In Flu Season, Use a Mask. But Which One?
http://newoldage.blogs.nytimes.com/
PLoS One ; Measurements of Airborne Influenza Virus in Aerosol Particles from Human Coughs
http://www.plosone.org/article/