スマホ用アプリで皮膚がんを検知、精度は?
今月16日に米国医師会雑誌(JAMA)電子版に掲載された論文によると、スマートフォンの皮膚がん検知用アプリの正確度には大きなばらつきが見られる。
米ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)の研究チームは、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)を検知する、4種類のスマホ用アプリの精度を分析した。実験の結果、4種類のアプリの精度には大きな差があることがわかった。1番正確なアプリは98.1%の確率でメラノーマを検知したが、最下位のアプリはわずか6.8%しか良性と悪性を見分けることができなかった。
(Wikiメディアより引用)
どこまでアプリに頼るべきか
アプリのユーザーは、気になる部分の皮膚の写真を撮り、結果を待つだけでよい。最も正確な精度を持ったアプリは、他3種のようなアルゴリズムを使う代わりに、画像を皮膚科医に送信し、24時間以内に診断が返信される。
日本の国民健康保険制度にあたる制度がないアメリカでは、特に、保険に加入していない低所得者にとって、高額の診療を受けずにメラノーマを検知できる、これらのアプリは魅力的だろう。
ただ、皮膚科医が懸念するのは、検知アプリに頼るあまり、病院に検査に来る人が減少することだ。大半の医療・健康用アプリは、現段階では、米国食品医薬品局(FDA)の取り締まりを受ける必要がない。
FDA安全およびイノベーション法が、2012年に制定されたが、いまだにどのスマホ用アプリが監査を受けるべきかは明瞭にされていない。将来的に、これらの医療用アプリの安全性と性能が保証されれば、皮膚がんの早期発見に大きく期待される。
▼外部リンク
JAMA Dermatology:Diagnostic Inaccuracy of Smartphone Applications for Melanoma Detection
http://archderm.jamanetwork.com/
ABC News:Smartphone Apps Can Fall Short in Detecting Skin Cancer, Study Finds
http://abcnews.go.com/Health/