ヨーロッパで行われた調査で、管理職など責任の重い職務に就いている女性では、燃え尽き（バーンアウト）状態に陥っている人の割合が高くなることが報告されました。

調査では、無作為抽出による49歳から53歳の146人の女性が対象とされ、このうち116人で9年間に及ぶ継続調査が完了できました。調査開始当時に19.5％、9年後に12.9％が、重度のバーンアウトと判断されました。

中でも、職務上の責任が重い女性では、バーンアウトの状態を示している人が多く見られました。この他、家庭での出来事（身近な人の病気や死など）、収入の低下など、仕事以外のこともバーンアウトにつながるとされており、ストレスレベルとの関連性があるというこれまでの報告を裏付けました。

バーンアウトの度合いが高い人では、睡眠障害も多く報告されていました。また、睡眠不足から、疲労度も高くなるという悪循環に陥る人も少なくありません。研究チームでは、睡眠状況の変化からバーンアウトへの影響を早期に推測して、対処することが出来るのではないかと指摘しています。

睡眠以外でも、うつ状態、心臓血管系への悪影響や免疫力の低下といった、健康上の問題へもつながりやすいそうです。

きびきびと仕事をこなす、管理職の女性は知的なイメージも伴い、魅力的ですが、その責任の重さから思わぬことで健康を害するリスクもあります。ストレス管理や、十分な休息などで、バーンアウトが深刻化しないようにしたいものです。

▼外部リンク

Journal of Women’s Health ; Development of Burnout in Middle-Aged Working Women
http://online.liebertpub.com/doi/full/10.1089/jwh.2012.3507