組み立ての間違い
日本医療機能評価機構が2009年1月から2012年11月までに報告された手動式肺人工蘇生器の組立て間違いによる医療事故の事例2件を公表した。
(この画像はイメージです)
一例めは全身状態が悪化して呼吸状態が低下した患者にバッグバルブマスク(MMIシリコン蘇生バッグ)で蘇生を試みたところ、低酸素脳症となった。誤って組み立てられたバッグバルブマスクを使用したと考えられる。間違いは2か所、患者呼気弁を逆止弁が入る部分に取り付けた点、逆止弁をエアー吸入アセンブリーの本体内部に取り付けた点。 蘇生器を洗浄して組み立てる際に取扱い説明書を確認したが、理解が不十分だったという。
アンブ膜弁装着の間違い
次の事例では人工呼吸器の回路交換を実施したときにアンブ(アンブ蘇生バッグ)への酸素を5Lで使用。看護師はいつもと手ごたえ(入っている感覚)がちがうことに気づいたが、押し方が悪いと考えた。その後、患者のSpO2、心拍数が低下したため心臓マッサージを行った。後日にアンブの使用方法を確認し、膜弁が逆向きに装着されていたことに気づいた。これが原因で酸素供給が不足、酸素流量を上げても十分な換気とならなかったと考えられる。
上記の事例が発生した医療機関では以下の取り組みを実施した。
(2)手動式肺人工蘇生器は担当職員が説明書に基づいて組立て、動作の確認をする
総合評価部会は、組み立て方が誤っていても抵抗や違和感なく組み立てられ作動もできることや外見上で誤りに気づくことが困難なことを以前の報告書で指摘している。
習熟した者が手動式肺人工蘇生器の組立てを行い、組立て後に必ず動作の確認する、患者に使用する際は換気が行われているか胸郭の動きで確認するように勧めている。
▼外部リンク
日本医療機能評価機構No74
http://www.med-safe.jp/
日本医療機能評価機構第30回報告書
http://www.med-safe.jp/