1万人調査でわかったこと
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の普及活動を行っているGODL日本委員会が20歳以上の男女10000人を対象に12月に実施した認知度調査の結果を発表した。
(Wikiコモンズを使用)
COPDの認知度、肺年齢の認知度とも上昇傾向にあり、2012年には28.1%と26.2%に達した。早期発見に肺年齢の検査が有効と知っているひとは10.2%だが、COPDを認知している人の90%以上が原因の大部分が喫煙にあることや症状が咳、痰、息切れだと理解していた。「喫煙経験のある40歳以上の8人に1人にCOPDの可能性がある」ことを43.6%は知らなかった。今回の調査でCOPDの認知経路がテレビ、医師・医療関係者に多かった。
データにみるCOPD
COPDによる死亡者数は16,639人(2011年)と増加し、また死亡原因の疾患順位では9位(男性7位)と上昇している。心不全、肺炎で死亡した例にCOPDが含まれている可能性も考えられ、診断率の向上でさらに上がるとされる。
20年以上の喫煙歴を経て発症するため、喫煙開始年齢が若年化している日本では今後さらなる増加が予想される。近年では女性の禁煙率も上がりまた発症リスクは女性の方が高いとの報告もある。
疫学調査(2001年)では40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されている。一方、患者調査(2011年)でCOPDと診断された人は約22万人。つまりCOPDであると気づかない、あるいは正しく診断されていない人が相当数いることになる。
厚生労働省はCOPDの認知度向上に取り組む方針を示し、平成34年度までに認知度80%を目標とした。調査を行ったGOLDでは、啓発プロジェクトと並行して自治体などの啓発活動のサポートを実施、「COPDの認知度をメタボ並みに」していくという。
▼外部リンク
GOLDプレスリリース
http://aeropres.net/