全摘手術に匹敵する効果の密封小線源療法
株式会社メディコンが前立腺がん治療に用いる連結型の密封小線源治療機器「バード ブラキソース システム」を発売した。
前立腺がんと診断される患者は年間約5万人に及ぶ。男性悪性腫瘍死亡率の4%を占め、死因の順位では8位。今後、他の悪性腫瘍と比べ増加率が最も高くなると予測されている(『がん統計白書』)。治療方法は進行度合いに即して選択する。手術療法、外部放射線療法、密封小線源療法、ホルモン療法、化学療法、待機療法などがある。
その中の一つ、密封小線源療法は前立腺全的手術と同等以上の治療効果があるともいわれる。単独あるいは外部放射線療法、ホルモン療法と並行して行う。放射性シード線源(長さ4.5mm、直径0.8mm)を前立腺内に数十個埋め込むと、約1年間で微弱な放射線が徐々に放出される。がん細胞に処方線量を直接照射するため、周辺組織や臓器の被ばくリスクを低減できる。
合併症を防ぐ密封小線源療法
密封小線源療法は現在年間約3800例、約120施設で行われているが、術後合併症の可能性は少なからずある。シード線源が前立腺内の血管から肺、骨盤腔などに移動することが原因。これに対応して、米国では年間約35000例実施する密封小線源療法の約70%で連結型シード線源を使用している。
「バード ブラキソース システム」は合成吸収性素材のコネクタでシード線源を連結するので、治療方針に合わせて任意の間隔でシード線源を埋め込むことができる。手技が簡便化され時間も短縮される。懸念されるシード線源の移動だが、このタイプであれば軽減することが期待できるという。
▼外部リンク
株式会社メディコン
http://www.medicon.co.jp/
がん情報サービス
http://ganjoho.jp/