未承認薬データベースの作成
厚生労働省は先月26日の「「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で「未承認薬データベース(仮称)」の作成に着手していることを報告した。
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データベースには日本、米国、EU(欧州連合)で承認された医薬品の情報(販売名、成分、効能、用法、申請・承認日)を網羅し、閲覧を可能にする。これで国内外の新薬情報がタイムリーに把握することができる。
海外で承認された新薬の承認には、欧米に比して審査に時間がかかる「ドラッグ・ラグ」の問題があった。新薬の審査を担当する医薬品医療機器総合機構(PMDA)では職員の倍増で審査期間を2.4年(2006年)から1.1年(2010年)まで短縮した。このうちの大半が、製薬会社が海外より遅れて申請する「申請ラグ」だったことから、情報収集・整理の強化に取り組んだ。データベースは年度内の完成を目指すが、これで新薬開発や審査が促進されると期待している。
未承認薬などを医療上の必要性が高いと判断
同検討会議では、開発要望のあった未承認薬3件(富士フイルムRIファーマの3-ヨードベンジルグアニジンに対する神経芽腫、褐色細胞腫、甲状腺髄様がん)、適応外薬の2件(バイエル薬品レボノルゲストレルの月経困難症、田辺三菱製薬バルガンシクロビルのサイトガロウイルス感染予防)を新たに医療上の必要性が高いと判断した。
また厚労省が開発要請をした中から、塩野義製薬のプレドニゾロン(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、全薬工業のリツキシマブ(ウェゲナー肉芽腫症・顕微鏡的多発血管炎・免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患)、中外製薬のトラスツズマブ(HER2過剰発現が確認された乳がん)、日本化薬のノギテカン(小児悪性固形腫瘍)を臨床試験不要の「公知申請」としている。
▼外部リンク
毎日新聞
http://mainichi.jp/
厚生労働省 第14回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
http://www.mhlw.go.jp/