モノクローナル抗体
現在がん治療において、分子標的薬が注目をあびており、分子標的薬には抗体を使った薬剤と小分子化合物の2種類がある。抗体薬において、モノクローナル抗体は、ただ一つの抗原決定基のみを認識する純粋な抗体で、単クローン抗体、単一クローン抗体とも呼ばれる。これは、製造ラボで作られる蛋白の一種で、腫瘍細胞などの体内に存在する標的を探し出してそれに結合することができる。単独で使用することもできるが、薬物や毒素、放射性物質を直接腫瘍まで運ぶために使用することもできる。
(画像はウィキメディアより)
エーザイのファルレツズマブ
エーザイは、プラチナ製剤感受性の初回再発卵巣がん患者1100例を対象として、その標準療法であるカルボプラチンおよびタキサン系薬剤と併用して、ファルレツズマブ1.25 mg/kg、2.5 mg/kg、またはプラセボを投与する、第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、比較試験の速報結果を発表した。患者は標準療法を3週間ごとに6サイクル受ける間、ファルレツズマブまたはプラセボを週1回併用投与され、標準療法6サイクル投与後も、増悪が認められるまで、ファルレツズマブまたはプラセボの投与が継続された。
主要評価項目である無増悪生存期間について、事前に定義した統計学的有意差の基準を満たすことができなかったが、探索的な解析では、部分集団で延長が認められており、今後のさらに詳細な解析に期待が寄せられる。安全性に関して、一部の患者で抗体治療特有の免疫介在性反応が認められたが、主な有害事象は、併用した化学療法剤に関連したものであった。
エーザイ ニュースリリース 2013年1月11日
http://www.eisai.co.jp/news/news201305.html