注射用液で希釈して投与する濃縮製剤
既存の製造委託企業でGMP上の不備のあった一部の製造工程を別の製造所に移管する変更への承認が厚生労働省より得られ、ヤンセンファーマ株式会社(以下、ヤンセン)は、2012年12月17日、抗悪性腫瘍剤「ドキシル(R)注20 mg(一般名:ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤。以下、ドキシル)の製品の供給(出荷)を1月7日より再開した。
今後は、製品の安定供給を目指し、長期的な措置として、全製造工程を新たな製造委託企業に完全移管していく予定。
(Wikiメディアより引用)
ドキソルビシン塩酸塩は、1960年代から使われている薬剤。ドキシルは、有効成分が特殊な保護膜で包まれた剤形で、同じ成分の従来の薬剤とは異なる性質を持っている。特殊な剤形を持つことにより、ドキシルは免疫システムに捉えられることなく長期間体内に留まって作用することが可能である。
ドキシルについて
ドキシルは、がん化学療法後に増悪した卵巣癌およびエイズ関連カポジ肉腫を適応症として承認されている。注射用液で希釈して投与する濃縮製剤(点滴静注)で、有効成分はドキソルビシン塩酸塩(2mg/mL)。
同剤は、細胞毒性を持つアントラサイクリン系の薬剤の一種で、細胞内のDNAの合成を阻害し、DNAの複製とタンパク質の合成を阻止する。
結果として、癌細胞の分裂を阻止し死滅させる。それによって癌細胞は増殖が抑制され、最終的には死滅する。ドキシルは、腫瘍の内部などの血管が異常な形態を持つ部位に蓄積、集中的に作用する。
▼外部リンク
ヤンセンファーマ株式会社プレスリリース
http://www.janssen.co.jp/public/rls/news/4107