自民党厚生労働部会は9日、厚生労働省が提示した2013年度予算概算要求の組み替え案を大筋で了承した。医療関連分野のイノベーション推進に向けては、12年度補正予算と合わせて231億円を要求。このうち、創薬支援機能の強化に18億円、臨床研究中核病院を新規に追加し、設備整備・運営支援を行うための費用に64億円を計上している。
予算案は、民主政権が昨年9月にまとめた概算要求をベースに施策の意義などを見直した上で、▽復興・防災対策▽成長による富の創出(民間投資の喚起、中小企業・小規模事業者対策等)▽暮らしの安心・地域活性化――の3分野に重点化した要求に組み替え、「15カ月予算の考え方」で補正予算と当初予算を合わせて提示した。
創薬支援機能の強化では、医薬基盤研究所の研究機器設備を整備するための費用として補正予算で12億円を充て、医薬基盤研究所に設置する創薬支援戦略室の運営経費などに6・4億円を計上している。
創薬支援の強化や中核病院の整備・運営支援のほか、「審査・安全対策の充実・強化」に17億円を要求。具体的には、医薬品医療機器総合機構の薬事戦略相談の拡充、最先端技術の有効性と安全性を評価するためのガイドライン作成、電子カルテなど医療情報の安全対策への利活用などを盛り込んでいる。
「薬局を活用した薬物療法提供体制の整備」には、4000万円を要求。抗癌剤など、使い方の難しい薬剤を用いた治療や適切な服薬指導などを在宅で受けられるよう、薬剤師がチーム医療の一員として、訪問や相談、情報提供をスムーズに行えるようにするため、全国8ブロックで必要な研修会や会議などを行う体制を整える。