■「患者説明」など増加傾向へ
本紙が例年行っている「全国保険薬局調査」によると、後発品の在庫は増え、変更に向けての説明も以前より積極的になっている。後発医薬品調剤体制加算の算定割合は全体的に増え、項目別には「加算3」が伸びていることが分かった。また昨春、新人薬剤師を採用(配属)したのは12%で、概ね1人採用予定に対し1人採用だった。一方、6割強の薬局でOTC薬の販売・相談時に受診勧奨を月平均5人弱行っていた。
全国の保険薬局から無作為に抽出した3000軒を対象に実施し、385軒から有効回答が得られた。
昨春、6年制薬剤師が誕生し、その多くが薬局や病院など医療現場に進んだ。採用した薬局は全体の12%で、平均すると1・3人の採用計画に対し0・9人の採用実績となった。ただ、実数を見ると、回答数は少ないものの、採用予定、採用実績ともに「1人」が圧倒的だった。
また、来年度の採用を予定しているのは16%で、前回調査(15%)と同様。初任給金額の予定は、前回調査では26万5835円(n=27)に対し、来年度は27万0261円(n=23)と約5000円のアップが見込まれる。
2012年度改定に対する感想については、92%の施設が回答した。「満足」0、「やや満足」29施設(8%)、「やや不満」92施設(26%)、「不満」60施設(17%)、「どちらとも言えない」176施設(49%)で、半数は評価が難しいと回答したが、“満足”は8%に過ぎず、4割強が“不満”だった。
“満足度”を他項目との相関で見たところ、診療報酬改定後、薬剤服用歴管理指導料(指導料)の算定割合が「増加」「変化なし」「減少」のうち「変化なし」のグループで“不満”の割合が多かった。
後発品の対応については、在庫数(品目数)の底上げが毎年進んでいる。特に「50品目以下」は10年調査時点で22%だったが、今回の調査では14%へ、「51~100品目」も32%から19%へと大きく減少し、多品目在庫に向かいつつある。
後発品変更に向けた患者説明への取り組みが「積極的に説明」は65%、「消極的に説明」31%となり、08年調査と比べそれぞれ33ポイント増、27ポイント減と「消極から積極へ」と大きく転回している。
前年と比べ後発品への変更が増えたか否かの設問では「増加」が70%(11年:40%)、「横ばい」24%(51%)で、12年度改定が後発品普及を後押ししている格好だ。実際の後発品への“変更率”を解析すると、平均で27%、前年調査の12%から大幅に増加していることが分かる。
また、今回調査では、薬局におけるOTC薬の動向についても調査した。アイテム数は薬局により大きく差があるが、平均すると171アイテム(前回調査169アイテム)、これに対する売上は「多品目揃えている店舗」では「少品目」店に比べ、大きく売り上げている。格差が大きいものの、平均すると月42万円程度。その多くが二桁程度の売上にとどまっている。
今後の多様化する薬局業務・サービスを想定し、「検査キット」販売など、「検査」への取り組みの一端を探った。その結果、「薬局での検査」(検査キットの販売等)については、既に「導入している」が約2割、「導入予定」「導入希望」が合わせて12%あり、「検査領域」への関心が少なくないことが明らかになった。