ニキビに悩んでいる人たちの多くが、脂っぽい食べ物は症状を悪化させると信じているようです。
確かに、ニキビは皮脂、つまり脂分の分泌が影響して起こる肌のトラブルですが、食べ物として摂った脂肪分が直接影響するわけではありません。
食べ物として取り入れられた脂は、酵素で分解されて小さな分子となって、全身へと回っていきます。
余分な脂分は、運動することによりエネルギーに変えられていきますが、余った脂や皮脂となってニキビを増やすのではありません。皮下脂肪として肥満の状態を作り出したり、血管の壁にべったりとついて、心臓血管系の病気の元となったりします。
つまり、主に美容上の悩みであるニキビよりも、より深刻な状況を作り出してしまうのです。
さて、話をニキビに戻しましょう。ニキビの直接の原因は、皮脂腺が皮脂や古い皮膚組織などで詰まってしまうこと。老廃物が正常に体の外に出されない状態のところへ、雑菌が繁殖すると炎症を起こしてしまうのです。
皮脂の分泌には、ホルモンも影響する場合が見られます。このため、月経や妊娠などでホルモンの状態が変化するときに、ニキビが一時的に悪化する女性もいるのです。そのほかには、肥満やストレスも影響すると考えられています。
脂っぽい食べ物以外では、チョコレートもニキビに良くないと一般に言われていますが、こちらも専門家のリサーチでも科学的に断定するには至りませんでした。食べ物に関しては、脂肪分よりも、糖分が高いものや乳製品が影響するとされています。ニキビが気になる方は、脂分をコントロールするよりも、乳製品の摂取状況を見直す方が効果が出そうです。
▼外部リンク
A Healthier Michigan ; Myth or truth: Do greasy foods cause acne?
http://www.ahealthiermichigan.org/2012/12/27/
Experimental Dermatology
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/