2012年の移植数は過去最高
日本骨髄バンクによると、同バンクを介した骨髄移植数は2012年12月で1万5千例に達した。骨髄移植推進財団が設立されたのは1991年、非血縁者間の初めての骨髄移植は1993年1月に実施、2008年12月には1万例を越えた。昨年1年間で過去最多の1,340例を記録した。
(Wikiコモンズを利用)
現在、バンクのドナー登録者数は 42万3,977人、患者登録数は 2,916人を数える。一方で、コーディネイトを開始したドナー(25,307人)のうち初期の段階で終了したドナー(14,775人)は58.4%になる(2011年)。ドナー側の事情で終了した割合は49.5%。その理由は、何らかの疾患で治療中など「健康上の理由」が最多。次いで、仕事・育児・介護など家庭の事情で時間が確保できない、の「都合つかず」。そして住所変更届がなされなかったために転居先が不明などの「連絡つかず」。
末梢血幹細胞移植の導入
2010年10月に末梢血幹細胞移植の導入が開始された。末梢血の造血幹細胞は少ないので、ドナーに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与して血液分離装置で必要な量を採取する。利点は、移植後の造血回復が早く、ドナーは全身麻酔が不要となること。欠点は、慢性GVHDの頻度は高いが、生存率・再発率との関わりが不明なこと。ドナーにとってはG-CSFの投与に5-6日間、1回の血液分離に数時間と拘束時間が長いのが難点。この方法による移植はこれまでに15例ある。
昨年9月に「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が成立して、今後、骨髄バンクの体制が整備される予定だ。骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植から最適な治療法を選択できると期待される。
▼外部リンク
日本骨髄バンク
http://www.jmdp.or.jp/