原発性骨粗鬆症の診断基準を改訂予定
日本骨代謝学会と日本骨粗鬆症学会合同の改訂検討委員会が設立されて、原発性骨粗鬆症の診断基準を改訂を行った。第14回日本骨粗鬆症学会の最終日に、「診断基準の改訂に向けて」としたシンポジウムを開催した。
2000年に改訂の診断基準では原発性骨粗鬆症を脆弱性骨折、骨密度が若年成人の平均値において70%未満もしくは脊椎X線像で骨粗鬆化がある場合と定義している。脆弱性骨折は低骨量に伴って、軽微な外力によって発生した脊椎・大腿骨頸部・橈骨遠位端など非外傷性骨折のことである。
改訂の概略に関しては、近畿大学医学部奈良病院整形外科・リウマチ科教授の宗圓聰氏が説明を行った。宗圓氏は、今回改訂を行う目的が国際的な整合性を目指すこと、そして新たな知見を盛り込むことであるとしている。
(Wikiメディアより引用)
改訂によって国際的な整合性を目指す
改訂の作業を進めることで、わが国とWHOの基準の違いをどうするのか、骨密度測定部位とカットオフ値をどうするのかという2点が問題となった。
現在の骨粗鬆症の基準値は腰椎、大腿骨近位部の骨密度が若年成人平均値の70%である。これは-2.5SDにほぼ一致するということから、国際的な整合性を目指して%表記だけでなくSD表記も併記した。
そして新規骨折が発生した場合に起こる相対リスクの違いを考慮して、既存骨折の分類を追加。また骨密度測定に関しては精度を重視し、原則腰椎または大腿骨近位部とした。また、様々な部分でデジタル化が普及したことにより、読影が困難となっている脊椎X線像に関する表記が削除されることになった。
▼外部リンク
日本骨粗鬆症学会
http://www.josteo.com/annai.php
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン
http://www.josteo.com/data/marker/11_1.pdf