日本脳炎に関する委員会で検討されたこと
日本脳炎ワクチン接種後に児童が死亡した事案を受けて、日本うつ病学会が、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など薬物相互作用をもつ薬剤の併用について公式サイトで注意を喚起した。
10月31日に開催した「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会」での意見を掲げている。
1. アナフィラキシーショックの症状が確認されず否定はできないが、可能性は低い。
2. 広汎性発達障害の治療で、6月からアリピプラゾールとピモジド、9月には塩酸セルトラリンと内服薬3剤を併用していた。これらの相互作用で心停止となった可能性は否定できない。
3. QT延長が起きていた場合、予防接種の痛み刺激が心停止を招いた可能性、予防接種時の身体拘束で突然死となった可能性がゼロではなく、薬剤起因と言い切れない。
2. 広汎性発達障害の治療で、6月からアリピプラゾールとピモジド、9月には塩酸セルトラリンと内服薬3剤を併用していた。これらの相互作用で心停止となった可能性は否定できない。
3. QT延長が起きていた場合、予防接種の痛み刺激が心停止を招いた可能性、予防接種時の身体拘束で突然死となった可能性がゼロではなく、薬剤起因と言い切れない。
同委員会では詳細な医学情報がないため、心肺停止から死亡に至った原因の特定をしなかった。
日本児童精神医学会は、「児童・青年期における向精神薬の併用に関する注意喚起」を11月12日にサイト上で発表した。
日本うつ病学会の見解
日本うつ病学会は、同委員会の資料だけで児童の死亡に薬剤が関係していると判断できない。しかし、学会の「大うつ病性障害の治療ガイドライン」で向精神薬併用時の薬物相互作用や心毒性に関する留意点を挙げたとおり、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との併用で生じるリスクに対して注意を呼びかける。
児童症例であったこと、1ヵ月以上のピモジド・セルトラリンの併用で心筋細胞に蓄積したピモジドが、QT延長に影響したとの考察もできるが、あくまで可能性にすぎない。事案を解明せずに今後につなげていくことはできない。
また、SSRIなど薬物相互作用をもつ薬剤を他の薬剤と併用して生じる副作用リスクに留意すること、なかでもQT延長などの危険な副作用をもつ薬剤や併用禁止薬との併用を回避することが重要だ。
▼外部リンク
日本うつ病学会
http://www.secretariat.ne.jp/
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/
日本児童青年精神医学会
http://child-adolesc.jp/
大うつ病性障害の治療ガイドライン
http://www.secretariat.ne.jp/