「手足症候群」の原因を発見、予防のための臨床研究へ
株式会社ナノエッグ(聖マリアンナ医科大学発のベンチャー企業、以下ナノエッグ社)と、聖マリアンナ医科大学産婦人科は抗がん剤の代表的な副作用のひとつ、「手足症候群」が発症するメカニズムの解明に至ったことを発表した。
(これはイメージです)
「手足症候群」とは
抗がん剤投与時に7割以上の患者に発症。手や足の皮膚が損傷し痛みが伴う副作用で(Hand-foot syndrome 以下 HFS)生活の質を著しく低下させる。
がん治療において抗がん剤投与は欠かせない治療方法となっている現在、ナノエッグ社は抗がん剤の副作用として起きる皮膚障害HFSに着目、ターゲットを再発性卵巣がんに使われる抗がん剤ドキシル®に絞り研究を進め、今回その解明に至った。
ドキシル®は、脱毛症や心臓における悪影響が少ないというメリットがある。しかしその反面、HFSが頻発し、さらにその副作用HFSが重症化すると、がん治療自体が困難になるというデメリットがある。
同研究ではラットを用い、その結果
薬剤の長期血中動態のためドキソルビシンが血管外漏出し皮膚内金属イオンと反応、活性酵素種を発生させることが大きな発症原因であることを突き止めた。
同成果は学術雑誌「HUMAN CELL」に近日掲載予定、としている。
同社は今後、発症の予防を目的とした臨床研究の実施、およびHFSを予防できる薬剤の製剤化実現に力を注ぐとしている。
▼外部リンク
株式会社ナノエッグ
http://nanoegg.typepad.jp/blog/2012/12/post-dfbf.html