■一般薬部会構成員見直しも
いずれも、19日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会で日本医師会の中川俊男副会長が提案し、厚労省が受け入れた。
新たに設置する検討会では、2002年11月に別の検討会がまとめた「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」の中間報告を見直す。
中間報告では、スイッチOTC薬の考え方について、一般用医薬品として承認前例のある薬効群や軽度な疾病の症状の改善をもたらすものだけでなく、緩和な効果が期待できる領域として、▽生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る)▽生活の質の改善・向上▽健康状態の自己検査――の分野の拡充を図るべきとしている。
その上で、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現を予防する一般薬の例として、「検査で軽度の血清高コレステロール、高血圧、高血糖が発見され、そのままにしておくと、将来、高コレステロール血症、高血圧症、糖尿病等の生活習慣病の発症が予測される場合」を挙げており、検討会ではこうした考え方を整理し直される見込み。
これにより、糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病領域の治療薬の転用に大きく影響することが予想される。既に企業側が申請している生活習慣病治療薬の転用については、事実上、停滞することになる。厚労省は、「片方でそうした議論をしていれば、(承認に)影響しないということはない」としている。
この日の分科会終了後、中川氏は、「エパデールが生活習慣病治療薬のスイッチOTC化の第一歩ではないこと、申請が出ているものについては審査を凍結するということも確認した」と述べると共に、凍結が解除されるのは「検討会の報告書がまとまるまで」とした。
また、中川氏は一般薬部会の委員構成について、「15人の委員のうち、薬系が10人で医系が5人」との状況を示し、「少なくとも薬を処方するのは医師。薬系が圧倒的に多いという構成は見直すべき」と主張。具体的な数については「少なくとも半々」とした。
日医は、10月の一般薬部会でエパデールのスイッチOTC化に反対を表明したが、多数決で押し切られた経緯があり、11月21日の日医会見で中川氏は、生活習慣病治療薬のスイッチOTC化を議論する場を厚労省に求めていく考えを示していた。