内閣府の総合科学技術会議ライフイノベーション戦略会議は11日、2013年度の科学技術重要施策アクションプラン実現に向けた仕組み改革案を中間的に取りまとめ、大筋で了承した。バイオベンチャー支援による革新的医薬品の実用化促進、創薬支援ネットワーク支援、司令塔機能の充実などを盛り込み、20日の専門調査会に報告する。
中間まとめでは、これまでの科学技術施策について、同じ領域に複数の府省から細分化された研究費が配分されるなど、国全体の総合戦略を欠いており、これを立案する司令塔機能が求められると指摘。また、審査機関の体制整備や創薬・医療技術基盤の整備、イノベーションを推進するための基盤充実、革新的医薬品等につながるシーズの創出に向け、バイオベンチャーを長期的視点から支援することの重要性を挙げた。
これに対応するため、▽革新的医薬品、医療機器、再生医療の実用化支援の充実▽イノベーションを推進するための基盤の充実▽府省を超えた課題達成型研究開発プログラムの創設と推進――の三つに取り組む方針を示した。
革新的医薬品、医療機器、再生医療の実用化支援の充実では、既存のバイオベンチャー支援の仕組みの拡充・見直しをすると共に、企業からの資金供給を促進するための体制を検討すべきとした。再生医療と医療機器については、厚生労働省が検討している薬事法改正に向けた動きを注視していくとしている。
イノベーションを推進するための基盤充実では、創薬支援ネットワークやデータベース統合等の事業が活用されるための支援が望まれるとし、創薬支援ネットワークについては、国が産学官の連携を推進することは必要不可欠とした。
課題達成型研究開発プログラムの創設と推進については、複数の府省から研究費が配分されている現状を改善するために、司令塔機能を充実させる必要性を指摘した。具体的には、府省を超えた研究開発プログラムを創設し、専任プログラム・マネージャーが予算権限も含めた統括マネジメントを実施する。