東北薬科大学は11日、東北厚生年金病院(仙台市宮城野区)を保有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)と不動産等売買契約を結んだ。同病院の土地と建物を約7億7000万円で買い取り、来年4月1日から「東北薬科大学病院」としてスタートさせる。薬学の単科大学が附属病院を所有するのは全国で初めて。附属病院化によって、6年制薬学教育を一層充実させる。仙台市内の同大学で記者会見した高柳元明学長は、「本格的な実務実習ができるモデル病院を作っていきたい」と語った。
今回の譲受を受け、同大学は、現在の東北厚生年金病院の経営方針を引き継ぐ方針。附属病院化が地域医療への貢献を目的としていることから、中長期的には医療機能や診療科目の充実、強化を図っていく考えだ。来年4月の附属病院スタートに向け、原則として人員削減等の合理化策は実施しない。また、病院の老朽化や東日本大震災の教訓を踏まえ、10年後をメドに建て替えに着手し、災害時に機能が発揮できる強い病院を作る。