日本研究皮膚科学会で発表
ナリス化粧品は、今月7日から9日まで沖縄にて開かれた日本研究皮膚科学会にて、ヒアルロン酸の代謝に関わる、未開拓分野における同社の新発見を発表した。
加齢とともに衰える肌のバリア機能
ヒアルロン酸は加齢とともに体内から減少、シワの原因とも言われ、肌の保湿には欠かせない物質。今回、同社はこれまで注目されてきたその「量」ではなく、「分子の大きさ」に着目。分子サイズが大きい、高分子のヒアルロン酸が多いことが保湿力にとって重要であることを初めて突き止めた。
(画像はニュースリリースより引用)
この分子の大きさは、表皮細胞から皮膚構造が分化によって形成される過程に大きく影響することを確認。実験により、高分子ヒアルロン酸はこの分化に関係する遺伝子の発現量を増やし、逆に低分子ヒアルロン酸は分化を抑えることが判明した。分化の過程がうまくいかないと肌のバリア機能を高められず、水分保持の観点からも不利となる。
ヒアルロン酸代謝に関わる、紫外線と加齢
高分子のヒアルロン酸は、肌の表面からは吸収できず、皮膚の内側で合成される。同社が行った実験で、10代と50代の肌を対象に、紫外線への影響によるヒアルロン酸の代謝を調べたところ、若い肌は紫外線による刺激に対して、代謝の活性がみられ、それにより、低分子化したヒアルロン酸を高分子に作り変える代謝遺伝子群が活性化される。
(画像はニュースリリースより引用)
一方、加齢した肌では、その活性化能力が低く、低分子化したヒアルロン酸が蓄積されることになり、肌バリア能力が低い状態が出来上がってしまう。
保湿力や肌バリア能力の鍵となる初めて明かされた高分子ヒアルロン酸の潜在能力を基に、今後はヒアルロン酸代謝に重要な役割を果たすファクターを促進するなどの研究を行っていくという。化粧品として外から補うだけでなく、肌を支えるファクターの改善にも取り組む同社の研究に期待がかかる。
▼外部リンク
News Release ナリス化粧品
http://www.naris.co.jp/news/pdf/20121207.pdf