延命治療を希望するか
回復の見込みのない患者に生命維持のために行う延命治療。救急の現場では、本人や家族の希望があれば控える動きが広がっている。ケアネットが医師1000人に“自分自身の延命治療”をたずねた。その結果、「延命治療は控えてほしい」70.8%、「家族の判断に任せたい」22.3%、「医師の判断に任せたい」3.4%、「わからない」1.7%、「積極的治療をしてほしい」1.3%、「その他」0.5% となった。
その理由はさまざまで、「自分で思考できて初めて“生きている”と考えている」「だんだん状態が悪くなる姿をさらしたくない」「「生まれてくる時は意思を発現できないのだから、死ぬ時はせめて意思を尊重されたい。」と自らの意思を示す姿勢、「(回復が見込めないなら)お金と医療資源は必要な人のために使わなければいけない」「家族の精神的・経済的負担を普段から見ているため」と現場に立つ医師らしいコメントも。
「救急センターで働いていた時は“延命治療をやめる基準”があった、一般の病院でも広めるべき」「経済的に苦しむ家族もあり、杓子定規に判断基準があっても困る」など、延命治療と救命治療の判断の難しさをうかがわせる意見もあった。
家族に配慮して、「家族が納得することが重要」「死を家族が受け入れられるかどうかにかかっている」「負担がかかるのは家族なので判断を任せたい」と。また、「家族の意思を尊重しないと、担当医が後で何を言われるか分からないので」と対家族のデリケートな問題もにじむ。
意思の表明は
自身の延命治療についての意思を表明しているかどうか。「希望はあるが表明していない」と回答したのは43.4%だった。一方で、「家族に口頭で伝えている」40.0%、「書面に残している」6.4%と約半数が外部に表明していた。
「延命措置をするかしないかはあくまで本人の意思で、リビング・ウイルをきちんとしておくべき」「カルテに書くことはあるが、専用の用紙はない状態。トラブルなどが多いため、残した方が良い」などの意見があった。
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