尿素サイクル異常症の特効薬を日本で発売
尿素サイクル異常症用薬であるフェニル酪酸ナトリウムが薬価として収載され、近く発売されることになっている。商品名はブフェニール錠500mg、同顆粒94%で販売される。
本薬は2008年に希少疾病用医薬品として指定され、2012年の9月に製造承認を取得した。適応としては尿素サイクル異常症であり、用法は3~6回に分割して、食事または栄養補給とともに服用するか食事の直後に服用する。投与の用量としては1日9.9~13g/m2となる。
尿酸サイクル異常症というのは、アンモニアを解毒して尿素に変換する代謝経路である尿素サイクルの酵素が遺伝的に欠落があるため発症してしまう先天性代謝異常症のことである。
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尿酸サイクル異常症の特効薬は副作用もあるので確認が必要
尿酸サイクル異常症というのは高アンモニア血症になってしまうことにより、中枢神経障害を起こして死亡することもある重篤な疾患のことである。日本での患者数は約200人、出生児のなかでは4万6000人に1人が発症すると推定されている。
尿素サイクル異常症の治療としては、高アンモニア血症を発症する予防を主な目的として食事療法を行う。またそれ以外には物理的な除去方法や外科的に治療も行うのだが薬物療法は、残っている尿素サイクルを利用することによって残存尿素を排泄するという方法がある。
治療としてフェニル酪酸ナトリウムが、標準薬として使用されてきた。しかし日本では入手できないので、必要な時に海外から輸入して使用していた状況が一般的だった。そのため日本で発売されると多くの患者が使用できる。投与に関しては承認時までの試験で副作用も確認されているため、医師の指示を仰ぐなど注意も必要である。
▼外部リンク
株式会社オーファンパシフィック
http://www.orphanpacific.com/medical/buphenyl.html