難病である特発性血小板減少性紫斑病は治療が困難
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は厚生労働省が指定している難病である。どのような病気なのかというと、血液を固める働きがある血小板が一気に減ることによって、皮下出血などの症状が起こってしまう。しかし現時点では原因ははっきりしていない。
日本国内の患者数は約2万人で、毎年約3000人が発症している。現在は血小板を大幅に増やすことができる新薬が治療に使われている。しかし希少な疾患のため専門医が少なく、患者は情報が足りないということで悩んでいることが多い。そのため患者会が発足した。
NPO法人「血液情報広場・つばさ」という血液疾患についての情報発信を行っている組織が都内でITPについての集会を開催し、全国からおよそ100人の患者が出席した。
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特発性血小板減少性紫斑病の新薬は開発されたがいまだ完治は難しい状況
集会では慶応大病院血液内科の宮川義隆医師ら専門医が講演を行った。最後に行われた質疑応答では、症状や治療について質問する患者が多かった。
そのため宮川医師は「ITPに関する情報は極端に少ないため、自分が受けている治療が効果があるのか確信が持てない。そのため精神的に不安になってしまう」と話している。
この病気では急性型と慢性型の2つのタイプがあり、急性型は子供に特に多いのだが9割は自然に治っている。しかし大人の場合はほとんどの場合慢性型に移行する。特に女性患者は男性の約2倍というように考えられており、その中でも30代と60代で発症が多い。
しかし「トロンボポエチン受容体作動薬」という新薬が登場したことによって、効果がなかった患者でも8割に有効であるという結果が出ている。また致命的になってしまう出血を止めることができるため、患者の生活が改善される。しかし完治することはできず、薬剤費が高いという課題も残っている。
▼外部リンク
NPO法人血液情報広場・つばさ
http://tsubasa-npo.org