■DPC分科会に報告
厚生労働省は7日、中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織DPC評価分科会に、DPC導入の影響評価に関する調査結果について、医療の質・患者の選別・効率化の進展の観点で分析した結果を報告した。その中で、後発品の使用割合を金額ベースで見ると、DPC病院は準備病院に比べて有意に高いことが判明。さらにDPC制度の参加後には大幅な増加が見られており、DPC制度が後発品の使用増に影響していることが考えられた。
今回の分析結果は、DPC導入の影響評価に関する2011年度調査結果について、「医療の質」「患者の選別」「効率化の進展」の3点に着目。DPC病院と準備病院の比較、DPC制度参加前後の変化に関する有意差の検証などを行ったもの。そのうち、効率化の進展については、包括評価の導入により、平均在院日数の短縮と後発品の使用割合の上昇を指標とし、検証を行った。
金額ベースで見た後発品の使用割合について、11年度のDPC病院と準備病院を比べたところ、DPC準備病院が7・1%だったのに対し、DPC参加病院は12・0%と有意に高いことが分かった。DPC病院で後発品の使用割合の年次推移を見ると、03年度DPC参加病院は、06年度(7~10月)の4・1%から09年度に6・3%、11年度には7・1%に増加。04~06年度DPC参加病院も、06年度の7・4%から09年度に11・5%、11年度には13・1%にまで上昇した。07~09年度DPC参加病院でも、09年度の11・0%から11年度には13・4%と、全てのDPC病院で毎年有意に増加していることが分かった。
DPC制度の参加前後で後発品の使用割合を比較したところでは、08年度DPC参加病院で前年度の5・1%に対して参加年度は9・0%、09年度参加病院は5・4%から10・4%、10年度参加病院は5・6%から10・7%、11年度参加病院も5・9%から12・4%と、全ての類型でDPC制度の参加後に後発品の使用割合が有意に増加していることが明らかになった。
DPC準備病院では、約6~7%程度にとどまっていることを考えると、DPC参加後の大幅な使用増が浮かび上がる結果となった。
また、平均在院日数について見ると、11年度でDPC準備病院の15・29日に対し、DPC参加病院は14・26日と有意に短かった。年次推移を見ても、03年度DPC参加病院で、03年度には19・70日だったのに対し、06年度は17・73日、09年度は16・03日、11年度は15・33日と、全DPC病院で毎年有意に短縮してきていることが分かった。
DPC制度の参加前後で平均在院日数を比較したところでも、全ての類型でDPC制度の参加後に有意に低下していることが明らかになった。