全生存期間延長の結果が
エーザイ株式会社は抗がん剤「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について、局所進行性・転移性乳がんにおけるカペシタビンを比較対照とした第Ⅲ相臨床試験(301 試験)の結果についてサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表したことを明らかにした。
(Wikiメディアより引用)
同試験は、局所進行性・転移性乳がんの患者(アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤による前治療歴を有する)1,102人を対象の「多施設共同・無作為化・非盲検」による、カペシタビンとの群間比較試験。
主要評価項目には「全生存期間(OS)」と「無増悪生存期間(PFS)」を設定した。結果、ハラヴェン®投与群は、カペシタビン投与群と比較して、統計学的有意差はなかったが、OSを延長する傾向を示した。また独立審査機関の評価にもとづくPFSには両群間で差はない。
安全性については、両剤ともに既に報告されている副作用と同様の結果だった。主な有害事象(発現率20%以上の事象)として確認されたものは、好中球減少、手足症候群、脱毛症、白血球減少、下痢、および悪心だった。
乳がん治療の今後
乳がん治療は、年々進歩しているが、局所再発性・転移性乳がん治療においては、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズが存在している。
ハラヴェン®は、日本、米国、欧州、シンガポールなど、42か国で承認を取得している(乳がんの適応)。
同試験で、ハラヴェン(R)は、欧米ではより早期の治療法として承認を取得しているカペシタビンとの比較において、主要評価項目は統計学的基準を満たさなかったが、OSを延長する傾向を示、HER2陰性並びにトリプルネガティブ乳がんの患者様に対しては臨床的に意味のあるOSの延長が認めらた。
同社は、今後も本剤の製品価値最大化に向けたエビデンスの創出にまいしんし、多様なニーズの充足とベネフィット向上によりいっそう貢献していくという。
▼外部リンク
エーザイ株式会社ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201281pdf.pdf