SIDSとワクチン接種の因果関係はあるのか?
厚生労働省は、ワクチン接種と乳幼児の突然死に関する疫学調査を開始すると発表した。
この調査は、平成23年3月に「インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチン」、「小児用肺炎球菌ワクチン」を含むワクチンの同時接種後の乳幼児が死亡する事例が複数報告され、その後専門家会議で因果関係はないとされたものの、統計的に調査を行うべきと言う声が上がったため、実施されることになった。
日本には、ワクチン接種と突然死について疫学調査は行われていないが、海外ではそういった調査は行われている。
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医療機関の協力が不可欠
SIDSによる死亡者は、年間100名余りで、出生6000~7000人に1人と推定されており、生後2ヵ月から6ヵ月に多く、稀には1歳以上で発症する。
SIDSは、ワクチンを接種する時期とその発症が重なるため、因果関係が不安視されているが、厚生労働省の調査では、ワクチン接種と死亡との直接的な明確な因果関係は認められず、ワクチン接種の安全性に特段問題があるとは考えにくいとしている。
この調査は、国立感染症研究所が、小児科の医療体制が整った約600施設に協力を仰ぎ、接種後に乳幼児が突然死した症例を集め分析を行っていくとともに、それぞれの突然死症例と性・年齢(月齢)が同一である乳幼児の対照例を収集し、突然死症例群と対照例群でのワクチン接種歴等に差があるかを検証していく。
▼外部リンク
厚生労働省:ワクチン接種と乳幼児の突然死に関する疫学調査を実施します
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002q33r.html
厚生労働省:乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids_guideline.html