禁煙の意欲はあっても成功しない
ファイザーが全都道府県9400人の喫煙者に禁煙に関する意識調査を行った。今年で5回目、過去4年間の変化も分析している。ニコチン依存症を診断するスクリーニングテストも実施、喫煙者の67.7%にニコチン依存症の疑いがあった。全国では推計1367万人となる。
この1年間で禁煙に挑戦した人は19.2%。2010年のタバコ増税後には35.1%。タバコ価格の値上げが禁煙意欲に及ぼす影響が大きい。2014年消費税による値上がり(予想)をきっかけに禁煙を考えている人は56.4%だ。
禁煙に挑戦した人に継続した期間を尋ねると、「1週間未満」で再禁煙した人が55.7%と半数以上。禁煙の難しさが表れている。「タバコを吸い始めたことを後悔したことがある」というニコチン依存者は非ニコチン依存者の倍以上の57.7%、後悔する傾向が高い。
禁煙治療を認知しながら相談は低水準
ニコチン依存症を知っている人は73.2%、2008年から10%近く増加。病院で禁煙の治療を受けられると知っている人は84.3%、2008年は 62.4%。医療機関での禁煙治療に対する認知度は高まっている。
医療関係者に相談したことがある人は7.3%。2008年とほぼ変わらず、認知度の高さが受診行動につながっていない。禁煙治療を認知している人の約8割が保険適用についても知っていたが、適用できる医療機関に制限があるとわかっていた人は3割未満。保険が適用されるなら治療を受けたい人は4割いるので、保険への正確な認識が必要か。
NPO法人日本禁煙学会は、今回の調査からニコチン依存症の人はニコチン離脱症状が重いため禁煙が困難で、禁煙する自信も低い点を指摘した。さらに、医療機関に相談していないことが成功率の低さや自信のなさにつながるとしている。適切な指導と禁煙補助薬による治療が効果の高いことは明らかなので、保険適用の条件にあるニコチン依存症の喫煙者には禁煙治療を受けることを勧めるとコメントを締めくくっている。
▼外部リンク
ファイザープレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/