医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 犬用の薬でトコジラミを撃退

犬用の薬でトコジラミを撃退

読了時間:約 1分45秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年11月22日 PM01:13

犬に使用する薬 トコジラミを撃退

廉価で安全な犬専用のトコジラミ薬で、トコジラミによる被害の拡大を防ぐ効果があるという研究結果が発表された。

(画像はイメージです)

徐々に拡大 トコジラミの分布

さらなる研究が必要であるが、薬剤イベルメクチンは最近増えているトコジラミ発生に対抗でき、しかも安くて扱いやすい。トコジラミは熱帯地方では馴染み深いが、数年前までは北部アメリカではまれであった。

トコジラミの拡大についての調査はあまり行われていないが、2009年の研究では6%のニューヨーク市民からトコジラミについての報告があった。また、ロンドンでは毎年約25%の割合でトコジラミの発生が増えている。

原因はおそらく海外旅行や中古の家具の交換などの人や物の行き来の増加にあり、研究に携わっている東バージニア医学学校のジョナサン・シール医師は家に殺虫剤をまく事で被害を減らせるとしている。

研究者の見解

同医師は以下のように述べる。

「トコジラミを根絶するための対策を考えているが、人体に安全で効果的なよい薬が無い。トコジラミに刺されると湿疹が出て、1週間はひかない。症状は抗ヒスタミン薬やステロイドで治療できるが、これ以上の被害を防ぐ対策が必要だ。

通常の対策は、殺虫剤のスプレーや洗濯、蒸気をかける、掃除機で吸い込むなどだが、プロによる駆除が最も効果的だ。また、予防し治療するための効果的な対策はあまりなく、インバーメクチンは選択肢の一つと考えるべきだ。南京虫は現在一般に使用され殺虫剤に抵抗を付けてきており、さらなる対策も必要だ。」

トコジラミに刺されたら

米・熱帯医学衛生協会の年次総会で発表された研究では、シール氏はイベルメクチンが解決するだろうと発表した。

同氏が行った研究では、イベルメクチンが投与されたマウスを刺したトコジラミの86%が死滅した。他の研究では、ボランティアとして志願した男性4名にイベルメクチンを投与し、トコジラミに接触させたところ、3時間以内に63%の成虫が死滅した。

この駆虫薬はトコジラミが成虫になるのを妨げるようで、このことで侵略を防ぐ効果があるとした。

発展途上国で効果を発揮

犬の薬としての使用以外に、インベルメクチンは多くの途上国に重要な薬となる。

ブユに刺されたことに起因する熱帯地方の病気の治療のために、毎年約5000万人にイベルメクチンが配布されており、廉価で安全性の高いことを示している。イベルメクチンはが20年に渡り使用されていることからも、外部寄生虫の広範囲に対する有効性が証明されている。

さらに詳しい内容は以下のリンクを参照。

▼外部リンク

Yahoo news 「A Medicine You Give to Your Dog May Spare You From Bedbugs」
http://news.yahoo.com

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療 医薬品・医療機器

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大