副作用を早期に発見する
日本ベーリンガーインゲルハイムジャパンが薬剤師を対象に、スマートフォン用アプリの「副作用シグナルCHECKER」の無償提供を開始した。副作用が早期に発見されることを目的にした支援ツールで、同社、山口大学医学部附属病院薬剤部、プラスアール社が共同で開発した。
「副作用シグナルCHECKER」で、薬局を訪れた患者の自覚症状(「皮膚の症状」「目の症状」など8項目に分類)を確認する。その結果(CSVファイル)を電子メールで送信。何らかの副作用シグナルが検出された場合、薬局と病院が情報を迅速に共有できるシステムとなっている。
前身の「副作用チェックシート」から
「副作用チェックシート」は、山口大学薬剤部長の古川裕之教授が地域の「薬・薬連携」(病院と薬局の薬剤師が情報を共有すること)を目指して構築したシステムだ。2011年4月から運用を開始したところ、12か月間で報告を受けた副作用シグナルは1,188件。しかし、処方医まで連絡が届いたのはそのうちの93件、全体の約7.8%にとどまった。古川教授は継続してシステムの改善を行った。この「副作用チェックシート」を元に開発されたのが「副作用シグナルCHECKER」だ。
古川教授は今回のアプリ提供に対して
と語っている。
日本ベーリンガーインゲルハイムは「BIファーマシストアワード」を2010年4月に創設し、薬剤師業務を通じて医薬品の適正使用や薬物治療に貢献する優れた取り組み・研究を表彰している。第2回目の「BIファーマシストアワード2012」では、テーマを「薬剤師による医療連携の実践」として募集、「副作用チェックシート」がこの準グランプリを受賞した。現在テーマ「さらなるチーム医療の実践」で「BIファーマシストアワード2013」を募集中(締切は2012年12月20日)。
▼外部リンク
日本ベーリンガーインゲルハイムプレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/