NK細胞療法とは
メディネットは、免疫細胞の一種のナチュラルキラー細胞(NK細胞)を利用したがん免疫細胞治療技術のサービスを始めた。
NK細胞は末梢血中に10~20%存在しているリンパ球の一種。がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する強い細胞殺傷能力を持つが、がん患者の場合、このNK細胞の活性が低下している。そこで、患者自身のNK細胞を体外に取り出し、増殖、活性化させていく方法が考えられた。
これまでNK細胞を短期間で増殖させることは困難であったが、同社は新たなNK細胞培養技術の開発に成功。これにより、10億個~100億個という大量培養が可能になった。安全なNK細胞を2週間で最大2000倍まで増殖させ、再び体内に戻す。これがNK細胞療法だ。
NK細胞療法のメリットとは
がん細胞には攻撃をしかける免疫細胞から逃れて、目印となる「MHCクラスI分子」を隠そうとする性質がある。この目印をターゲットに攻撃する樹状細胞ワクチン療法やCTL(免疫細胞)療法と比べて、NK細胞療法の方が有効と考えられるのはこの点。NK細胞には、目印を隠したがん細胞を見分けて殺傷する能力があるからだ。
また、NK細胞は抗体医薬品との相性が良いため、両者を併用して相乗効果をあげることが期待できる。併用した場合、それぞれを単独で用いるよりも細胞傷害活性は高くなる。
本治療法は、メディネットから技術提供を受けた瀬田クリニックグループで開始され、今後、連携医療機関で展開していく。グループでは、免疫組織化学染色検査でがんの目印の有無をあらかじめ調べるなど、病状やがん細胞の特徴を考慮して、最適な免疫細胞治療を患者自身に選択してもらうことを目指している。
▼外部リンク
共同通信PRワイヤー
http://prw.kyodonews.jp/
瀬田クリニックグループ
http://www.j-immunother.com/