国際ジェネリック医薬品連盟(IGPA)は、来月に日本で開催する年次総会で、後発品の品質基準や薬事規制の世界的な調和に向けた取り組みなどを「京都宣言」として発表する見通しだ。世界のジェネリック医薬品(GE薬)協会が集まる国際団体として、厳格な品質確保や特許保護と自由競争のバランス保持、偽造薬との戦いに取り組んでいく姿勢を世界にアピールするものと見られる。開催国の日本も、国際基準でGE薬の使用促進を行っていることをIGPAのメッセージを通じて打ち出し、さらなる社会的な認知度向上につなげたい考え。
京都宣言には、GE薬に関する品質・有効性・安全性の向上、厳格な品質基準を適用する薬事規制、知的財産権の保護と自由競争のバランス保持、偽造薬への懸念が盛り込まれる模様で、国際団体としてGE薬に関する世界的な共通課題に取り組む姿勢をアピールする方向性と見られる。
IGPAでは、GE薬とバイオシミラーの品質・安全性・有効性の向上を最重要課題と位置づけている。特に品質に関しては、生物学的同等性基準と同質性試験を厳格に適用する薬事規制の世界的な調和を優先事項としていく意向だ。
また、特許保護と自由競争のバランスを保つことがGE薬を世界の患者に確実に届けることにつながるとの姿勢を示す。偽造薬についても、犯罪行為と強く指摘した上で、厳しい薬事要件に適合しているGE薬に対し、これらを満たさない偽造薬は、世界的な公衆衛生上の大きなリスクを与えると主張。全ての医薬品と原薬の偽造品の製造・流通を防止するため、厳格な薬事規制を支持し、偽造薬と戦っていく姿勢をアピールする予定だ。
一方、開催国の日本も、IGPAによるメッセージを通じて、国際的な基準でGE薬の使用促進に努めていることをアピールし、依然として低水準の数量シェア拡大に向けたテコ入れを図ると同時に、さらなるGE薬の社会的な認知度向上につなげたい考え。
IGPAは1997年、米国ジェネリック医薬品協会(GPhA)、欧州ジェネリック医薬品協会(EGA)、カナダジェネリック医薬品協会(CGPA)の欧米3団体によって結成された。その後、インド製薬連盟(IPA)、日本ジェネリック製薬協会(JGA)、南アフリカ製薬協会(NAPM)が加盟し、現在6団体が正会員となっている。