医学部学生の学力が低下しているのではないかと指摘
全国医学部長病院長会議で、医学部学生の学力に関するアンケート結果を公表した。今年の5、6月にかけて全国80の公私立大学の医学部長や、教育担当者に対してアンケートを行った結果である。
医学部の多くの教員からは、学生の学力が低下しているという意見が多かった。今回アンケートを行った大学は75校と、前年調査時の68校よりも増えている。学生の学力が低下したと思う理由として、講義中の私語が多いことや教員の指示に対する対応が悪いなどの変化が47校と最も多かった。
またその次は進級試験不合格者数の増加が42校、成績低下が41校となっている。実際に各学校の留年率を見てみると、2008年から留年者が増加している。
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医学部の定員増は教員の負担が増すと懸念
どうして学力が低下したのかというと理由としては、ゆとり教育を挙げる大学が65校と最も多い。今の医学生は高校までずっとゆとり教育であった。また医学部定員の増加は58校、学生のモチベーションの低下が44校である。
学生の学力低下に対して、何かの対策をしているのは77校。教務委員会で対策をしているが52校、カリキュラムなどの改革を行っているが51校、個人的の面談を実施が49校であった。
学力だけでなく生活に関して問題を抱えていることも多い。メンタル的に問題がある学生の増加が62校、社会的な規範を守らない学生の増加が50校、学生の学習意欲の低下が48校と多かった。今後の医学部の定員増については、医学生の資質の更なる低下が考えられるため、教員の負担が増すのではないかという懸念もある。
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