医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 行政・経営 > 【難病患者認定適正化事業】難病患者のデータ入力は半数あまり 

【難病患者認定適正化事業】難病患者のデータ入力は半数あまり 

読了時間:約 1分25秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年11月18日 PM12:13

事業の根幹を支えるデータ収集ができていない

現在、国は、症例数が少なく、原因不明で治療方法も未確立であり、かつ、生活面で長期にわたる支障がある疾患について、研究班を設置し、原因の究明、治療方法の確立に向けた研究を行う「難治性疾患克服研究事業」を進めている。

その事業の一環として、難病患者の動向を全国規模で把握するため、を実施しており、都道府県は提出されてきた臨床調査個人票を「特定疾患調査解析システム(WISH)」に登録をすることになっている。

しかし、厚生労働省が入力の状況を調べた結果、その入力率が非常に低いことが判明。その事業の基礎となるデータ収集が全くできていなことから、データ収集方法の見直しが迫られている。

(この画像はイメージです)

入力がゼロの都道府県も

データの入力率は、90%以上は23県、25%未満は17県、最も低い県は0.0%となっており、全国の患者55%しか入力されていない状況となっている。

全く入力をしていないのは、北海道・山形・新潟・長野・三重・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・山口・福岡・佐賀の12の道と県。ではなぜ入力をしないのか?その一つとして

医師がより多くの患者を医療費助成が受けられる難病だと診断するため、不正確なデータを報告するケースが後を絶たず、都道府県の担当者が入力をためらうことがある

という理由が挙げられている。しかし、このままでは、難病患者データの精度は上がらず、せっかくの事業が無駄になってしまう。そのため、11月15日に開催された難病対策委員会では、

・「難病指定医(仮称)」が患者に医療費公費助成に係る診断書を交付する際に認定・審査等に必要な項目を記載すると同時に疾病の登録を行う仕組みの導入を検討する

とし、難病患者データの精度の向上につなげていきたいとしている。

なお、厚生省では、現場の医師に負担がかからないような入力システムを構築していくとしているが、果たしてどのようなシステムになるのか、今後も注意深く情報収集を行いたい。

▼外部リンク

NHK NEWS WEB 難病患者のデータ 入力半数余にとどまる
http://www3.nhk.or.jp/news/html/

厚生労働省
厚生科学審議会疾病対策部会 第26回難病対策委員会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002oou6.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 行政・経営

  • 【福岡厚労相が会見】ラグ・ロスの解消に意欲-官民一体で取り組む課題
  • 【安定確保策会議】承認書と相違44%で確認-後発品自主点検結果を公表
  • 【薬局団体連絡協議会】「リスト化で会員増」2割-地域薬剤師会の再編提言
  • 【消費者庁部会】紅麹問題でGMP指針改正-微生物原材料の食品対象
  • 【エーザイ】レカネマブ欧承認勧告-ApoEε4ホモ接合を除外