事業の根幹を支えるデータ収集ができていない
現在、国は、症例数が少なく、原因不明で治療方法も未確立であり、かつ、生活面で長期にわたる支障がある疾患について、研究班を設置し、原因の究明、治療方法の確立に向けた研究を行う「難治性疾患克服研究事業」を進めている。
その事業の一環として、難病患者の動向を全国規模で把握するため、「難病患者認定適正化事業」を実施しており、都道府県は提出されてきた臨床調査個人票を「特定疾患調査解析システム(WISH)」に登録をすることになっている。
しかし、厚生労働省が入力の状況を調べた結果、その入力率が非常に低いことが判明。その事業の基礎となるデータ収集が全くできていなことから、データ収集方法の見直しが迫られている。
(この画像はイメージです)
入力がゼロの都道府県も
データの入力率は、90%以上は23県、25%未満は17県、最も低い県は0.0%となっており、全国の患者55%しか入力されていない状況となっている。
全く入力をしていないのは、北海道・山形・新潟・長野・三重・滋賀・兵庫・奈良・和歌山・山口・福岡・佐賀の12の道と県。ではなぜ入力をしないのか?その一つとして
という理由が挙げられている。しかし、このままでは、難病患者データの精度は上がらず、せっかくの事業が無駄になってしまう。そのため、11月15日に開催された難病対策委員会では、
とし、難病患者データの精度の向上につなげていきたいとしている。
なお、厚生省では、現場の医師に負担がかからないような入力システムを構築していくとしているが、果たしてどのようなシステムになるのか、今後も注意深く情報収集を行いたい。
▼外部リンク
NHK NEWS WEB 難病患者のデータ 入力半数余にとどまる
http://www3.nhk.or.jp/news/html/
厚生労働省
厚生科学審議会疾病対策部会 第26回難病対策委員会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002oou6.html