日本薬剤疫学会は、来年10月をメドに医薬品の安全性を適切に評価できるファーマコビジランス・スペシャリスト(PVS)認定制度を発足させる。製造販売後の安全対策が重視される中、来年4月に開始される医薬品リスク管理計画(RMP)の対応を含め、副作用リスクを最小化できる専門的な人材育成が必要と判断した。製薬企業の安全対策担当者、行政関係者を視野に、広く人材の裾野を広げるため、2013~16年まで過渡的措置による認定を行う。第1回過渡的認定者は、来年9月に誕生する予定で、10月から正式スタートを目指す。
製造販売後の医薬品は、臨床現場で多数の患者に使用されるため、未知の重篤な副作用が発生したり、既知の副作用も重篤化することがある。ただ、これら医薬品の安全性を評価し、リスクを最小化するファーマコビジランスの活動が求められるものの、日本では学問的な歴史が浅く、アカデミアでの教育もほとんど行われていないため、薬剤疫学の専門的な人材不足が指摘されてきた。