薬学部6年制第1期生を輩出した67大学の卒業者のうち約40%が薬局、約30%が病院・診療所の薬剤部(科)、一般販売業へも従来より若干多い6%強が就職し、全体として4分の3が“現場薬剤師”への道を選んだ。また、旧4年制時代に3割近くを占めた進学は、6年制になり2%にとどまった。薬学教育協議会がまとめた「2012年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査の集計報告」で明らかになった(表参照)
同調査は全薬系74大学のうち、今年3月に6年制第1期生を輩出した67大学全てから回答があった。6年制および4年制の卒業生ならびに大学院博士課程前期課程(修士課程)・博士後期課程(博士課程)修了者が対象。なお、同調査では8大学(国立5校、私立3校)から「6年制卒業者の進学者」に関する回答がなかった。
6年制卒業者は8476人(男性3369人、女性5107人)だった。なお、新4年制の修士修了者1083人を合わせると、総卒業者9559人となる。これを旧4年制教育を受けた08年3月卒業生と比較すると、総卒業者(56大学で調査)は1万0109人(男性4217人、女性5892人)で、大学数が増加したにもかかわらず、卒業者は減少している。
卒業者のうち最も多い就職先は薬局で3308人(39・0%)、次いで病院・診療所勤務(薬局)が2522人(29・8%)となっている。一般販売業(ドラッグストア等)へは562人(6・6%)となり、全体の75%が現場の薬剤師を選択した。また、医薬品関連企業へは996人(11・7%)が就職している。
「進学」したのは、卒業者の2%に過ぎない166人(男性99人、女性67人)だった。卒業者のうち100人(1・2%)が就職せず、未定66人(0・8%)だった。08年3月は「就職せず」が152人(1・5%)、「未定」357人(3・5%)で、“就職しない”者は大幅に減った。
表:2012年3月 6年制学科卒業生就職状況(薬学教育協議会調査一部改変)