難病患者が何か困ったことを抱えているときに、どこに相談をしているのだろうか。現在、その受け皿として、都道府県ごとに設置されている拠点病院の支援センターや難病医療連絡協議会などがある。一拠点での現状を―。
どのような相談があるのか
浜松医科大学附属病院の「難病医療相談支援センター」は県難病医療拠点だ。ここに寄せられる電話相談が毎年100件ずつの増加を見せているという。
その内訳は、1割弱が認知症の患者、これは高齢化社会を反映していると考えられる。他にはALS(筋萎縮性側索硬化症)・てんかん・パーキンソン病などの神経難病と、潰瘍性大腸炎などの消化器難病、膠原病などで6割を占めている。
相談の内容は、「転院や在宅支援について」が最も多い。次いで、「治療や服薬が適当かどうか」、「補助制度について」となっている。
センターの取り組みに変化が
センターでは、これまで患者会・診療所・介護施設と電話でやりとりすることを主な活動としてきた。しかし、最近は一般市民にもっと難病について知ってもらおうと、医療相談会や出張講演の企画に取り組んでいる。
高齢化などに伴う難病が増えている。政府は難病認定の枠を広げる一方で、予算全体を据え置いているため患者個人への補助金は減少している。在宅の難病患者を地域で支援する体制作りが必要になっているのだ。
同センターはこのような現状を踏まえ、難病への理解を広げて、地域での協力者を増やしていくことが役割と考えている。
▼外部リンク
静岡新聞SBS
http://www.at-s.com/
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/