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拒絶反応が起きにくい「HLA型」保持者からiPS細胞を作製。京大病院 再生医療用iPS細胞ストック計画始動

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2012年11月10日 AM09:13

品質の良いiPS細胞を迅速に提供できる環境が整う

山中伸弥京都大教授が所長を務めるiPS細胞研究所は、京都大学医学研究科医学部附属病院『医の倫理委員会』に申請をしていた「医療用iPS細胞ストック構築に関する研究計画書」について、承認を得ることができたと発表した。

(画像はイメージです)

この研究では、再生医療に使用するためのiPS細胞ストックの作製を行っていく。まずは、京都大学医学部附属病院にて、過去にHLA検査を受けた人の中から、日本人に多いHLAハプロタイプをホモ接合体として持つ健常者を探していくそうだ。

「HLA」とは、ヒトの主要組織適合遺伝子複合体であるヒト白血球型抗原(Human Leukocyte Antigen)の略で、ヒトの免疫に関わる重要な分子として働いている。自分と異なる「HAL型」の人から細胞や臓器の移植を受けた場合、免疫拒絶反応が起こるため、「HLA型」をできるだけ合わせる必要がある。

しかし、「HLA型」は数万通りの組み合わせがあると考えられており、自分と完全に一致する「HLA型」の人を見つけるのは、数百から数万人に1人の確率とされている。

拒絶反応に困ることがなくなる可能性

この「HLA型」は、両親から1つずつ受け継ぎ、受け継いだ2つの型が一対となって1つのHLAのセットを形成しているのだが、父親と母親から同じ「HLA型」を受け継ぐことがあり、この場合、この同じ「HLA型」の場合、細胞移植においては拒絶反応が起こりにくいという利点がある。

「iPS細胞ストックプロジェクト」では、日本人に一番多く見られる種類の(最頻度の)HLA型をもつHLAホモドナー数名からiPS細胞の作製を行うことで、日本人の約20%に対して拒絶反応の低い細胞移植治療を行い、そして次に、75種程度のHLA型のiPS細胞を作製し、日本人の約80%をカバーしていくことを目標としている。

なお、「HLAホモドナー」については今のところ、京都大学医学部附属病院にて過去にHLA検査を受けた人が対象となるが、今後その他の方法で、より広く公募することも検討していきたいとしている。

▼外部リンク

京都大学医学部附属病院
京都大学iPS細胞研究所
http://ips.kuhp.kyoto-u.ac.jp/kuh/ips.html

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