常染色体優性多発性嚢胞腎
常染色体優性多発性嚢胞腎とは、両側の腎臓に嚢胞が無数に生じる、遺伝性疾患。多発性嚢胞腎の一種で、多発性嚢胞腎患者の約60%に高血圧が発症し、間質の線維化と細動脈硬化によって、半数は70歳までに末期腎不全に至ってしまう難病である。
(画像は、ウィキメディアより)
第3相試験結果良好
大塚製薬は、常染色体優性多発性嚢胞腎を対象としたトルバプタンの第3相試験の結果を発表した。
本試験は、日本を含めた世界129の治験医療機関で実施された、二重盲検プラセボ対照並行群間第3相試験である。1,445名の患者(18-50歳の男女)を登録、うち961名はトルバプタン群(朝夕1日2回45 mg/15 mg、60 mg/30 mgまたは90 mg/30 mg)に、484名がプラセボ群に割り付けられ、3年間にわたる試験であった。
その結果、主要評価項目である両腎容積の変化率(年率)は、プラセボ群が5.51%の増加、トルバプタン投与群は2.80%の増加であり、有意な変化率の減少(49.2%)がみられた。
安全性に関しては、頻度の高い副作用(≥10%以上でかつプラセボに比較し有意に発生するもの)として、喉の渇き(55.3%対20.5%)、多尿(38.3%対17.2%)、夜尿(29.1%対13.0%)、頻尿(23.2%対5.4%)、多飲症(10.4%対3.5%)がみられた。
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Qlifepro 2012年11月05日 AM11:25
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