中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽを運営する「全国健康保険協会」は、後発品に切り替えた場合の自己負担軽減額を加入者に通知する取り組みの結果、2009~11年度までの3年間で通知を受けた4人に1人が後発品に切り替え、医療費削減額が推計で約125億円に上ると発表した。
協会けんぽは、医療費適正化に向けて、後発品の使用促進、レセプト点検、扶養家族の要件確認等を実施している。そのうち、後発品の使用促進に関しては、後発品に切り替えた場合の差額通知を加入者に行っており、09年度と10年度は1回、11年度は2回通知。3年間の総通知数は約305万通に上っている。
後発品に切り替えた場合の医療費削減額を、各年度の推計で見ると、09年度が約70億円、10年度が約17億円、11年度が約40億円で、後発品を使用したものの再び先発品に戻した場合などを考慮すると、削減額は3年間で約125億円となった。
また、医療機関から誤った保険請求がなされていないかレセプト点検を行うことにより、11年度は約287億円の削減効果があった。
一方、13~17年度の今後5年間の収支見通しも示した。差額通知などに取り組んでも、現行制度である国庫補助率16・4%、後期高齢者の支援金の負担方法が総報酬按分3分の1が続く場合、単年度収支の均衡を維持するための保険料率は、現行の10%に比べ、13年度が10・1%、17年度が11・5%に引き上げる必要があることが分かった。