販売名が類似し、薬剤の取り違えのヒヤリハットが同薬にて報告されたため、販売をする両社は注意を呼びかけている。
(写真はイメージです)
アステラス製薬株式会社の販売する「セロクエル(一般名 クエチアピンフマル酸塩)抗精神病剤」とサノフィ株式会社の販売(販売元 日医工株式会社)する「セロクラール(一般名 イフェンプロジル酒石酸塩)脳代謝賦活剤」において、薬剤名が酷似していることから取り違え事例が報告された。
取り違え対策として、薬剤オーダーリングシステム等を使用している場合は、「セロクエル」または「セロクラール」の入力時にアラートを表示させるなどの、予防策を講じとり間違え防止に配慮を求めている。また、システムを利用していない場合は、「販売名」「薬効」を再度確認するなどの取り違え対策をするよう促している。
同薬に於けるヒヤリハットは下記3事例の報告がある。
1、入院中の患者(胸椎圧迫骨折)の定期処方薬調剤時、患者が別院外処方分の「セロクエル」の持ち込み(統合失調症)があったため、医師が処方箋に記載した。薬剤師は、セロクエルが当院になく「脳代謝賦活剤のセロクラール(現在はエンセロン)と取り間違えて調剤。次の定期薬の調剤時に間違いが発覚した。
2、オーダーミスにより、うつ病外来患者にセロクエル(25)を屯用10回分の処方を、間違ってセロクラール(10)をオーダー、一回分を服用。
3、医師の処方間違いにより薬剤師が処方、後日再入院の際、別の薬剤師により指摘されて発覚。このケースでは退院後も残薬を渡していた。最初患者持参薬であるニューレプチル(精神神経用剤)を当院採用のセロクエルに変更する予定であったが、医師の処方間違いによりセロクラールを処方、薬剤師も気がつかなかった。また薬剤師はニューレプチル=セロクラールだと思い込んでいた。
▼外部リンク
セロクエルとセロクラールの販売名類似による取り間違え注意のお願い
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/pdf