アフリカ産ブラックマンバが鎮痛剤に
研究により、アフリカに生息する蛇、ブラックマンバからモルヒネに匹敵する効力を持つ、マンバルジンという少量の2つのたんぱく質を発見した。
(写真はブラックマンバ、ウィキペディアより)
マンバルジンの効果、モルヒネより効果的
国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)で発表された研究結果によると、マンバルジンはモルヒネとは違った作用で痛みを抑えるということだ。注目すべき点は、呼吸不全や心臓麻痺、幻覚症状などのモルヒネに見られる副作用が無いことである。
研究では、数種類の酸を感知するシステム(Acid-Sensing ion channels:ASIC)の経路が調べられた。ASICは神経細胞の表面に見られ、痛みを感知する。それが反応することで神経細胞に痛みのイオンを送り、さらに脳に伝達される。
人と同じ様に痛みを感じるマウスでマンバルジンを服用、あるいは傷口に直接注射したころ、双方とも効果を上げた。さらに人間の細胞でも試されたが、人の痛みに対しても同様な効果があった。
マンバルジンが痛みの信号を遮断
フランス、バルボンヌの分子と細胞の薬学研究所の分子生理学者でこの研究の責任者であるアン.バロン氏によると、痛みの通路はマウスも人も同じように働くため、人に対しても効果的であると見ている。
動物、蛇の毒は主な薬の主成分として抽出されることが多く、また毒の成分は未知の部分もあるため、この研究を続ける意義は十分にあるとした。
▼外部リンク
国立生物工学情報センター サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov