厚労省、かかりつけ薬剤師育成モデル事業の実施を発表
厚生労働省は医師の代役として患者の家を訪ね、ケアを行う「かかりつけ薬剤師」の育成事業を実施することを発表した。
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この取り組みは、処方箋による調剤業務が主な業務である薬剤師の機能強化を図ると共に、現在の医療体制では患者一人ひとりのニーズに対応することが困難であるという問題を解決ために、同省が計画したものだ。
現行法において、薬剤師は医療行為そのものを行うことはできないが、薬の副作用をなどを調べる目的で患者の様子をチェックしたり、患者の相談にのり、アドバイスを行うことは許される。
同省はこの「かかりつけ薬剤師」の制度を用いて、薬物療法の指導や健康食品の紹介などのサービスを広め、処方箋が無くても自由に販売できる一般医薬品の提供を進めていきたい考えだ。
モデル事業の内容と問題点
厚生労働省は「かかりつけ薬剤師」の育成のため、全国50か所の派遣先を選定し、実際に薬剤師を派遣するモデル事業を行う。
抗癌剤を始めとする強度の副作用を持つ薬の常用者宅を訪問し、実際にケアを行わせることによって、医師の代役が務まるかどうかの調査を行う。また、サービスに応じた調剤報酬の新体系の構築も視野に入れている。
同省はこの制度を26年度から本格化させたい考えだが、患者が医師の診断を受けずに市販の検査キットで血糖値などの数値を測定し、薬剤師がその結果に応じて一般薬を売るなどという事態も想定され、医師側からの反発を招く可能性があることも指摘されている。
▼外部リンク
厚生労働省 在宅医療における薬剤師業務について(平成23年の資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000127vk-att/2r9852000001283s.pdf