ロンドン・AP通信によると、イギリスの健康保護局(HPA)は最近発生した新型の呼吸器系ウイルスの遺伝子配列がSARSに似ており、蔓延にはらくだ、羊、ヤギなどを媒体としている可能性があると発表した。
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今のところ、2つのケースが確認されたが、2003年に世界に、特にアジアに蔓延し、数百人が命を落としたSARSほど強いの感染力と呼吸器系の激しい症状は無いと発表した。
世界保健機構(WHO)のスポークスマンであるグレン・トーマス氏の発表によると、現状ではこのウイルスは人から人へは簡単に感染しないということだ。現在こうもりの調査も進められているが、ウイルスがどのように広まるのか、また、より危険なウイルスへと進化するのか不明なため、危険性を判定するには時期尚早とした。
米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の、コロナウイルスを専門とするラルフ・バリック氏はこう述べる。
また、2名の感染者は月をおいて発症したことが確認されているので、こうもりがこのウイルスをばら撒いて人に直接感染させたとも見ている。というのも、仮に他の動物からの確立された感染経路があるとするなら、さらに多くの感染者がいるはずだからである。
患者のうち1人は数ヶ月前に亡くなったサウジアラビアの男性で、もう1人はカタール人で発症する前サウジアラビアを旅行し、今はロンドンの病院で危険な状態ではあるが落ち着いている。
WHOは人が動物と接触した後、新型ウイルスによって病気が発症したものだと考えている。関連機関はこの2名の感染ルートを調べるため、この調査が終わるまで中央アジアで活動している。
WHOはさらに、この新しい呼吸器系疾患を引き起こすウイルスは腎臓疾患も引き起こす危険性があるとし、世界の医療機関に向けて注意を促した。サウジの関係機関は、世界中から信者が同国に集まる、10月のメッカ巡礼が病気を蔓延させる可能性があるとして警戒している。
予防策として、巡礼者たちは常に手を清潔に保ち、人ごみではマスクを使用するようにアドバイスしている。
▼外部リンク
http://news.yahoo.com
英・健康保護局HPA
http://www.hpa.org.uk